日本線維筋痛症学会第10回学術集会の開催にあたり
記念すべき第10回大会にあたりご挨拶申し上げます。
この10年、線維筋痛症という病名すら十分知られていなかった状況から、現在は保険適応薬やガイドラインが出来、その病態解明も夢ではないほどに研究も進み、大きな飛躍を遂げたと言ってよいでしょう。これには本学会・学術集会の寄与が大きかったことは言うまでもありません。
本学会は各科の専門学会と異なり、内科、精神科、整形外科、小児科、基礎研究者、理学療法士、心理士、看護師、薬剤師など各専門家が英知を寄せあい、線維筋痛症をはじめとする慢性疼痛という難問に挑んでいます。このように開かれた学会であるがゆえに10年間で大きく飛躍出来たのでしょう。今後もこれまで以上に開かれた、前衛的な学会として邁進していくことを望みます。
本大会のテーマは「Fibromyalgia decade」としました。これまでの10年の成果を踏まえて、今後10年のAI , IoT時代における挑み方を議論することを意図しています。近代教育発祥の地であり学問の街である御茶ノ水において、第10回の節目となる本大会での議論が、線維筋痛症をはじめとする未解明の慢性疼痛の学問の更なる発展につながることを強く望みます。
平成29年4月吉日
日本線維筋痛症学会第10回学術集会
会長 臼井 千恵
(順天堂大学附属練馬病院メンタルクリニック)