大会長挨拶

第64回春季日本歯周病学会学術大会開催のご案内

冬季に入り新型コロナウィルス(COVID-19)は事前予測通り各地でクラスター(感染者集団)が発生し,さらに感染拡大が続いています。ヨーロッパ諸国では英国をはじめとする感染力の増大した変異種感染の拡大とロックダウンが,日本では感染者数急増により,受け入れ医療機関およびホテル等療養施設の収容力超過に伴う陽性患者の自宅療養者急増等,連日リアルタイムで報道されています。日本での累計感染者数は全国で39万人を超え,死亡者数も5千人を超えました。当初2月7日までの首都圏を中心とする緊急事態宣言も,栃木県を除き1ヶ月の延長が決定されました(2021年2月2日現在)。

この度,第63回春季(郡山)・秋季(金沢)学術大会に引き続き,令和3(2021)年5月21~22日開催予定の第64回春季(盛岡)学術大会も,新型コロナウィルス感染症に対する岩手医科大学の方針(遵守事項)・岩手県の指導,感染状況の変化等に基づき,ソーシャルディスタンス,3密回避,検温,収容定員の制約などを検討した結果,数多くの制約を満たすためには従来通りの学会開催は現時点で困難と判断し,やむなく断念しました。そのため急遽,第63回秋季(金沢)学術大会と同様,WEB開催の形式で準備を進めることといたしました。WEB開催形式に伴う変更も多少あろうかと思いますが,現時点での予定についてご紹介いたします。

本大会では「今,求められる歯周治療 ~研究から臨床へ~」をテーマに,FGF-2等を用いた再生治療,歯周病と関連する糖尿病等の全身との関わりなど,さまざまな話題についての議論を展開したいと考えております。特にFGF-2(リグロス®)は長期にわたり日本歯周病学会が中心となって保険導入した世界初の薬としての再生剤です。発売から約5年経過し,その有効活用の検証として活発なディスカッションを予定しています。

本大会の特別講演Ⅰでハーバード大学のDavid M. Kim先生が米国における歯周治療について,特別講演Ⅱでは,にしだわたる糖尿病内科院長の西田亙先生が「歯周病と全身の繋がり」についてご講演いただきます。またシンポジウムⅠは大阪大学の村上伸也先生がFGF-2を用いた再生治療について,シンポジウムⅡでは岩手医科大学の小林琢也先生が口腔と全身の関わりについてのディスカッションを企画しています。

認定医・専門医教育講演では九州大学の鮎澤純子先生が医療安全について,歯科衛生士教育講演では九州大学の西村英紀先生が「歯科衛生士にとって必要な糖尿病の知識」についてご講演予定です。さらに歯科衛生士シンポジウムでは日本歯科大学東京短期大学の野村正子先生と日本歯科衛生士会副会長の茂木美保 先生が「歯周病学会で歯科衛生士が果たす役割」に関するディスカッションを企画中です。また倫理委員会企画講演は岩手医科大学の岸光男先生にご講演いただく予定です。

私ども岩手医科大学歯学部歯科保存学講座歯周療法学分野が本学会開催を担当いたしますのは,2代目教授の故國松和司先生が2010年5月に第53回春季日本歯周病学会学術大会を担当して以来,約11年ぶりとなります。私どもの分野にとりましては,創設50周年を経て,節目の学会を担当させていただきますことを大変光栄に存じております。

盛岡現地開催を切望していた本学会員の皆様には,残念ながら期待を裏切ることになり,誠に申し訳ないと思っています。開催校としての現地開催の切なる願いは今回果たせませんが,第63回秋季(金沢)学術大会をモデルケースとして,同WEB開催で得られた経験・貴重な教訓等を有効に活かし,大会の充実,会員の皆様のさらなる満足を図りたいと思います。新型コロナウィルス禍の学会開催という厳しい現実の中で出来ることは限られてはいますが,今回の学会テーマ「今,求められる歯周治療」に照らし合わせ,新しい時代に相応しい「今,求められる新しい学会開催形式」を検討・追求するためには絶好の機会とポジティブに捉え,前向きに本学会開催に取り組む所存です。全国から多数の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

第64回春季日本歯周病学会学術大会 大会長
岩手医科大学歯学部 歯科保存学講座歯周療法学分野
八重柏 隆

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