大会長挨拶

第65回春季日本歯周病学会学術大会を令和4年(2022年)6月3日(金)、 4日(土)の2日間にわたり、東京、京王プラザホテルで開催いたします。今大会のメインテーマは「歯周病学クロニクルーそして我々はどこに向かうのかー」です。これまでの歯周病学・歯周治療学を振り返り、これから私たちがどのような方向にそれらを発展、進歩させていくのかを考える大会にしたいと思っています。

大会1日目は、特別講演Ⅰに「小さな発見から医学を大きく変える挑戦の日々」茂呂和世先生(大阪大学大学院医学系研究科生体防御学教室)、特別講演ⅡはKevin, M. Byrd先生(IOC, ADA Science & Research Institute)に歯科におけるCOVID-19の現状について「The “Oral” History of COVID-19: Primary Infection, Salivary Transmission, and Post-Acute Implications for Patient Care」の演題でレビューしていただきます。そして、特別講演Ⅲでは「ノーベル賞で辿る分子生物学クロニクル」を塩﨑一裕先生(奈良先端科学技術大学)にご講演していただきます。シンポジウムⅠは「歯周病検査のクロニクルと展望」について口腔検査学会と初めてのコラボシンポジウムとして高柴正悟先生(岡山大学学術研究院歯周病態学分野)に「日本歯周病学会と日本口腔検査学会の共同シンポジウムに際して」、口腔検査学会理事長の福本雅彦先生(日本大学松戸歯学部有病者歯科検査医学講座)に「なぜ歯科医療に検査が必要か?」、三辺正人先生(文教通り歯科クリニック)に「歯周病医学に基づいた歯周病検査の意義と臨床への普及について考える」をそれぞれご講演いただきます。さらに,シンポジウムⅡでは「歯周病とインプラント周囲炎のクロニクルと展望」をテーマに口腔インプラント委員会の企画シンポジウムとして、児玉利朗先生(神奈川歯科大学歯科インプラント学講座)「インプラント周囲炎の治療:主に外科的対応」、林 丈一郎先生(明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野)「インプラント周囲炎の治療における 非外科的対応を考える」、蓮池 聡先生(日本大学歯学部保存学教室歯周病学講座)「エビデンスからみたクロニクル」のご講演をいただきます。

大会2日目の特別講演Ⅳは、歯周病と補綴治療の関係について鷹岡竜一先生(鷹岡歯科医院)に「歯周病罹患歯の補綴処置をめぐって」のご講演いただきます。特別講演Ⅴは、海外で多くの臨床エビデンスを発表されているFlorence大学Francesco Cairo先生に「Current Evidences in Periodontal Regeneration and Periodontal Plastic Surgery」のご講演していただきます。シンポジウムⅢは「歯周外科治療のクロニクルと展望」をテーマに閔 成弘先生(テキサス大学歯学部ヒューストン校歯周病学講座)に「硬組織および軟組織欠損に対する新たなティッシュエンジニアリングプロ―チ」と岩野義弘先生(岩野歯科クリニック)に「歯周組織再生療法のクロニクルと展望」の演題で歯周外科手術の現状と今後の展開について活発なディスカッションをしていただきます。そして、歯科衛生士シンポジウムは、女性の歯周病の関係について、永石匡司先生(日本大学医学部産婦人科学系産婦人科分野)に「歯科衛生士に知ってほしい女性の身体の基礎知識」、川本亜紀先生(日本大学歯学部付属歯科病院歯科衛生室)に「ウーマンズオーラルヘルスー女性ホルモンと歯周病―」のご講演をいただきます。また、医療安全委員会企画講演は長尾能雅先生(名古屋大学医学部附属病院患者安全推進部)に「患者安全の全体像と展望」、認定医・専門医教育講演は、「「基礎」と「臨床」がつながる歯周解剖:歯周外科治療を成功に導くためのキーポイント」牧草一人先生(牧草歯科医院)、歯科衛生士教育講演は、山崎和久先生(新潟大学名誉教授)に「口腔と全身の健康を操る生態系-口腔細菌叢と腸内細菌叢の基礎知識―」、市民公開講座は西田哲也先生(日本大学歯学部保存学教室歯周病学講座)に「生活と命を守る歯周治療-コロナからインプラントまで-」のご講演をそれぞれいただきます。そのほか、国際セッション、ランチョンセミナー、一般講演、一般ポスター、臨床ポスター、衛生士講演、衛生士ポスターなどを鋭意企画しています。

しかし、まことに残念ですが新型コロナウイルスの感染拡大が思うように収まらないため、現地参加者を制限させていただきます。東京での開催は4年ぶりで、現地参加することを楽しみにしておられた皆様には、大会長として心よりお詫び申し上げます。ご理解の程よろしくお願いいたします。

なお、現地での大会開催についてはできる限り感染防止対策を講じ、皆様が安全・安心して大会に参加していただけるよう配慮いたします。また、現地開催後のオンデマンド配信も用意し、できるだけ多くの方に参加していただけるよう考えております。

皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

第65回春季日本歯周病学会学術大会 大会長
日本大学歯学部保存学教室歯周病学講座
佐藤 秀一

TOP