学会長挨拶

第52回日本作業療法学会のご案内

学会長 宮口 英樹
広島大学学術院
大学院医歯薬保健学研究科

第52回日本作業療法学会が開催される2018(平成30)年は、介護報酬・診療報酬の同時改定だけではなく、第7次医療計画・第7期介護保険事業計画等の開始といった今後の医療・介護施策において極めて重要な節目になると言われています。かねてより協会が重点活動項目として取り組んできた、地域包括ケアシステムへの貢献は、地域支援事業の充実、特に外出支援、買い物、調理、掃除などの家事支援等、充実した生活支援サービスを提供するという課題だけではなく、システムとして持続可能性に繋がるかどうかが問われています。今後、作業療法士は、医療と介護の一体化の流れの中で、民間企業、NPOなどさまざまな背景を持つ人びとや組織に作業療法をアピールしていく場面が増えると考えられます。そしてその場面では、作業療法をアピールできるエビデンスを有していることが須要となるでしょう。

第52回日本作業療法学会のテーマは、「根拠に基づいた作業療法の展開(Enlargement of Evidence-Based Occupational Therapy」です。このテーマの背景には、社会的要請だけではなく、我が国最大の作業療法の学術集会において学術的基盤をしっかりと見直し、構築し、未来に向けて継続的に社会に貢献する学術団体であることを銘肝するという意味もあります。そこで学会では、作業療法の効果を検証する臨床研究発表を中心に、市民公開講座や基調講演では未来につながる内容を、シンポジウムでは現状における作業療法の根拠を中心に企画しています。多くの方々に参加していただき、自由で活発な議論ができる学会にしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 

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