寺岡 征太郎 | (東京医科大学) |
宇佐美 しおり | (熊本大学) |
河野 伸子 | (横須賀共済病院) |
奥野 史子 | (聖路加国際病院) |
栗原 順子 | (東京都立多摩総合医療センター) |
近年、悪性腫瘍や慢性疾患をもって早期に退院する患者が増え、これらの患者の6割は軽度から中等度のうつ状態を有していることが知られている。うつや認知症を合併して身体疾患の治療をうける高齢患者も増え、心と身体双方への治療と看護が提供できる精神看護専門看護師(リエゾンナース)の重要性は高まっている。
平成28年度の診療報酬改定では、精神科リエゾンチームの算定点数が増え、精神科リエゾンチームへの期待も大きくなっている。チームにおいて、精神看護専門看護師は、精神科医療のトリアージ、精神症状やセルフケア改善のための看護面接、多職種との連携と調整、治療チームや看護スタッフへのコンサルテーションを展開している。
そこで、うつ状態や不安状態にある身体疾患患者や、うつや認知症を有する高齢身体疾患患者に対応する精神科リエゾンチームの役割、チームにおける精神看護専門看護師の役割や機能について、事例を通じて検討する。