西岡久寿樹理事長によりスタートした2回の研究会を加えると、10回目の節目となる今回の日本線維筋痛症学会学術集会。
本学会・学術集会が誰のためのものかを考えるとき、それは他の学会と同様、私たち学会員のためのものであり、製薬メーカー、マスメディアなどとの情報交換・人的交流のためのものでもあります。一方で、本学会は西岡先生をはじめとする理事、評議員、学会員のすべてが共有しているように、患者のためのものでもあり、そこには、線維筋痛症という21世紀の難治性疾患を何とかしたいという学会員共通の強い思いが根底にあります。ここは、リウマチ内科、整形外科、小児科、精神科、基礎研究者、心理学者、理学療法士、看護師など、背景が異なるヘテロな集団が個々の『専門知』を寄せ合い、『集合知』として線維筋痛症に戦いを挑む場です。
第8回の今大会は、国技である大相撲のメッカ、両国で開催します。そして、前世紀にリウマチを克服したことを象徴するかのように西側には東京タワーが、目の前には線維筋痛症という私たちの新たな標的の象徴、スカイツリーが聳え立ちます。
今大会のメッセージは『線維筋痛症の真面目(しんめんもく)』。今大会がまさに、この病の本来の姿をとらえ克服するための、線維筋痛症と真剣勝負を挑むための土俵となることを望みます。
日本線維筋痛症学会第8回学術集会 会長
中島 利博
(東京医科大学医学総合研究所 教授)