公益社団法人日本補綴歯科学会 第130回記念学術大会
大会長 水口俊介
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 高齢者歯科学分野
大川周治理事長をはじめ理事の皆様,そして本学会のご関係の皆様のご高配を賜り,公益社団法人日本補綴歯科学会第130回記念学術大会を東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野で担当させて頂くこととなりました.貴重な機会を与えていただきましたことに深く感謝の意を表しますとともに,大会長として謹んでご挨拶を申し上げます.
今回の第130回学術大会は,Webによるライブ配信と小規模集合型の開催方式で行う予定でしたが,Covid-19感染拡大第4波の到来を見据え,専門医ケースプレゼンテーション試験以外のすべてのプログラムをWeb開催といたします.専門医ケースプレゼンテーション試験受験者のみ,ご来場頂くことになります.Web開催となることによって失うものもあろうかと思いますが,配慮を尽くし,可能な限り有意義で快適な学術大会にしたいと思いますのでよろしくお願い申し上げます.
さて,今大会のメインテーマは「食力向上による健康寿命の延伸―補綴歯科の力を示す―」です.口腔領域の健康が全身の健康に大きく影響を及ぼすことは周知の事実になって参りました.なかでもオーラルフレイルの考え方に基づいた病名「口腔機能低下症」が健康保険の中に導入されたのはまだ記憶に新しいところです.口腔機能を回復し維持するためのデバイスの開発や製作,メンテナンスを担当する補綴歯科の意義は大きいことは言うまでもありません.ただ口腔機能の回復は補綴歯科の極めて大きいアウトカムではありますがそれだけではありません.インプラント,再生医療,審美補綴,顎機能など多くの領域を補綴歯科がカバーしなければなりません.これらすべてが食力向上につながるものであり,補綴歯科の力を示すものであるということを意図いたしました.
企画については,学術委員会の皆様,さらに各委員会の皆様の多大なるご尽力により大変興味深い企画が多数用意されています.海外特別講演の演者にはベルギーのルーベンカソリック大学のBart Van Meerbeek先生にご登壇いただき,審美修復材料への適切な接着方法についての講演をいただき,引き続きメインシンポジウム1ではそれらの材料特性や臨床応用について踏み込んだ議論を行い現時点でのコンセンサスを示したいと考えています.メインシンポジウム2では「多角的な視点から食力を考える」と題し,オーラルフレイルの飯島勝矢先生,東大イートロス講座の米永一理先生そして池邉一典先生にご登壇いただきます.専門医研修会ではEBMシリーズのファイナルバージョンとして,エビデンスを臨床に直結させて活用している先生方にお話しいただきます.
今回は,前回中止となったイブニングセッションを復活する予定でした.東京医科歯科大学内に会場を設定し小規模集合型で開催し,同時にWeb配信も行うことを予定していましたが,残念ですがWeb配信のみといたします.
懇親会も実施いたしません.予定では中華街のローズホテルで名店「重慶飯店」の麻婆豆腐味比べを予定していたのですが,仕方ありません.自発的な懇親会をしていただくことになりますが,くれぐれも,くれぐれも三密厳禁,食べ物を口に入れるとき以外はマスクを着用し口角泡を飛ばす議論も厳禁,クールに考察を深めていってください.
また,今回はオンデマンド配信(見逃し配信)を行います.演者の同意の得られた事前録画の,6月26日(土)~7月4日(日)の9日間のオンデマンド配信を実施いたします.これは登録された方たちのみの視聴になります.すべてのプログラムが視聴できるのですから,ぜひ登録をお願いいたします.ただかなりの数のシンポジウムが用意されてますので,会期中はリアル配信で聴いていただき,視聴できなかったものだけを見逃し配信期間中に聴いてください.
たいへん制約の多い学術大会になってしまいますが,実りは多い大会にしたいと思います. 本学術大会が盛会裏に終えられますよう,我々担当校一同,精一杯準備していく所存でございます.多くの方々のご参加を心よりお待ち申し上げております.