ご挨拶

第41回日本骨形態計測学会
大会長 乳原善文
(虎の門病院腎センター内科・リウマチ膠原病内科)

このたび、第41回日本骨形態計測学会を2021年7月1日(木曜日)-3日(土曜日)に、ソラシティカンファレンスセンターにおいて開催させていただきます。

大会テーマは、「目前に悩む患者の中に明日の骨形態計測学教科書の中身がある」といたしました。

虎の門病院腎センターは故沖中重雄院長の誘いで昭和37年7月に赴任された故三村信英先生により始まりました。最初の課題は末期腎不全で来院した17歳少年でした。当時の教科書によると末期腎不全は死を意味する悪性疾患を意味しました。何とかこの患者を助けたいという思いから昭和38年1月腹膜灌流法による透析療法を考案しました。これが本邦における透析の歴史の始まりでした。その後血液透析が実用化され透析技術の改良が行われる中で生きるための透析が長期生存可能な透析へと進歩を遂げましたが,一方で新たな問題点が生じました。透析骨症でした。腎不全状態はCaやPの異常にVitD3の低下も加わり副甲状腺機能亢進症による線維性骨炎や骨軟化症をきたし,さらに透析アミロイドーシスをも加わり病的骨折が惹起され患者のQOLを苦しめました。その病態を骨生検による解析でいち早く取り組んだのもの当科の特徴でもありました。これらを克服するための薬物療法の開発は目覚ましい発展を遂げましたが薬物療法にも限界があり,運動療法の大切さも近年見直されフレイル・サルコペニアの概念が提唱されるに至りました。骨病変は血清や尿の検体で測定するバイオマーカーで骨病変の評価は可能という意見もありますが,それでは解決できない骨病変も多数存在します。本学会の開設当時の原点に立ち戻り骨病変を骨形態計測学の立場からもう一度見直そうという企画も計画しつつ運動療法の重要性を目的とした特別企画・教育講演・シンポジウムができればと考えています。さらにコロナ渦中ではありますが素晴らしい学会の実現のために皆さまに協力をお願いします。2021年7月1-3日,日本骨形態計測学会の新たな歴史を会員の皆様で築きあげましょう。

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