謹啓
この度は「臨床化学の未来を拓く」をメインテーマに、第55回日本臨床化学会年次学術集会(JSCC55)を、2015年10月30日(金)から11月1日(日)の3日間、大阪大学コンベンションセンターにおいて開催させていただきます。伝統ある本学術集会をお世話させていただくことは身に余る光栄であり会員の皆様方に深謝いたします。
日本臨床化学会は、臨床化学の進歩・発展を図ることを目的として組織された学術団体です。この学会は学術的側面から実践的な側面をもち、分析化学から臨床医学までを広く包括しています。そして化学的分析手法を用いた測定法全般の技術開発やデータの医療・環境保全・食品安全等への提供、さらには疾病の病因・病態の解明や治療・予防への寄与を目指しています。従って、学会の構成員は多岐にわたり、臨床検査学・分析化学を専門とする医学・薬学系の大学教員から病院検査部や薬剤部、臨床各科の医療人、産業界の研究者、実務者などが含まれています。
今回の学術集会では、「臨床化学の未来を拓く」ため、昨年の理事会・評議員会で決まった若手の登用を是非積極的に行いたいと考えています。そしてベテランの先生方には若手育成のため様々な面からご支援を賜りたいと願っています。さらに、「臨床化学の未来を拓く」ため、今後重要になるオミックス解析やマイクロRNA等について、それぞれの分野のトップリサーチャーに特別講演及び教育講演を行っていただきます。そして、シンポジウムでは、非臨床の臨床検査領域を充実・発展させるため、日本毒性学会との共催シンポジウムを初めて開催し、今後活躍が期待される若手を紹介するため「若手シンポジウム」を開催することにしました。このように、一般演題以外にも多彩なプログラムを組み込むことにより、新しい知見やエビデンスを世界に向けて情報発信し、臨床化学の進歩・発展に寄与できるようにしたいと考えています。
また、この学術集会では、昨年度日本臨床衛生検査技師会と共同で設立した「認定臨床化学・免疫化学精度保証管理技師制度」の指定講習会も開催します。
会場には、昨年と同様に、大学の施設を利用しますが、是非とも大勢の先生方にご参加いただき学術交流を深めていただけますよう、心よりお願い申し上げます。謹白
第55回日本臨床化学会 年次学術集会
会長 岩谷 良則
(大阪大学大学院医学系研究科 保健学専攻生体情報科学講座 予防診断学研究室)