第21回在宅血液透析研究会を2018年11月10日(土)、11日(日)に滋賀県大津市 ピアザ淡海滋賀県立県民交流センターにおいて開催するにあたり、ご挨拶を申し上げます。
腎代替療法の一つである血液透析療法はわが国において世界的にも誇れる発展した治療法でありますが、いまだ透析効率や患者さんのQOL、生存率に関しては不十分であります。かつては施設血液透析を補完する目的であった在宅血液透析が、いまや高い透析効率と生存率、そして就労・就学はじめ家庭や社会生活においてよりよいQOLを得ることができる透析手法として認知されてきています。我が国の在宅血液透析患者数も2016年末で631人となりました。いまだ全ての透析患者の0.2%と在宅血液透析先進国である欧米諸国と比較するとわずかではありますが、1000人の大台を目指して着実に増加しております。
「これまで」のたゆまぬ努力によって「現在」得た成果をもとに「これから」ますますの進化・発展を図る在宅血液透析に携わる患者・医療関係者の思いを『一隅を照らす』という言葉に込め今回の研究会テーマとさせていただきました。あわせて「より良い」透析である在宅血液透析が、「患者さんとそのご家族」にも「医療関係者」にも、そして「社会」にとっても「より良い」未来を得る方法になることを目標とし、サブテーマに『「三方よし」の在宅血液透析をめざして』を掲げました。
「三方」にとって如何により「よい」透析治療の発展とその提供、そして享受を図れるか、皆様とともに学び、考えたいと存じます。
晩秋の近江滋賀、紅葉が映える比叡山を望むびわ湖のほとりで、皆様のご参加を、スタッフ関係者一同、心よりお待ちしております。
第21回在宅血液透析研究会
一色啓二
(医療法人社団 富田クリニック(本院)院長)