大会長挨拶

このたび 令和5(2023)年10月13日(金),14日(土)の2日間にわたり,第66回秋季日本歯周病学会学術大会を,長崎駅に隣接する出島メッセ長崎(長崎県長崎市)において開催いたします。今大会のメインテーマは,「グローカルな歯周治療」といたしました。歯周病は高齢者を中心に世界中に蔓延した人類共通で対処すべき疾患ですが,実際の歯周治療にあたっては地域に密着したテーラーメイドの治療が必要です。そこで,広く世界の歯周治療に目を向けるとともに,地域医療に密着した歯科医師,歯科衛生士,疫学専門家に,それぞれの地域社会での歯周治療への貢献についてご講演いただきたいと考えております。

大会プログラムでは,まずグローバルな視点から,6月からIADRのPeriodontal Research Group Presidentに就任予定のミシガン大学教授Purnima Kumar先生に歯周治療とインプラント周囲炎の治療についてご講演いただきます。また,お隣の韓国から,Sungkyunkwan UniversityのSeung-Beom Kye先生に韓国歯周病学会理事長講演を行っていただきます。地域医療にも焦点を当てた企画として,「グローバルな地域医療」をテーマとして元国際協力事業団(JICA)ジュニア専門員の野中愛恵先生に世界各地での地域医療の経験をお話しいただきます。また,「日本と世界の地域医療」をテーマとして,角 忠輝先生(長崎大学総合歯科臨床教育学分野教授),野中愛恵先生(元国際協力事業団(JICA)ジュニア専門員),田口円裕先生(東京歯科大学歯科医療政策学講座教授)によるシンポジウムを予定しています。さらに,歯科衛生士セッションにおいても「地域歯科医療における歯科衛生士の役割」 をテーマとして,福田英輝先生(国立保健医療科学院),久保山裕子先生(日本歯科衛生士会副会長),江部由佳梨先生(元鹿児島大学病院)による歯科衛生士シンポジウムを企画しています。

グローカルな話題からは少し離れて,歯周病にも大きく関係する「咀嚼と栄養」をテーマに,佐々木 敏 先生(東京大学名誉教授)による特別講演を企画しています。また「細菌学的観点からの歯周病と全身疾患の関連」をテーマに,内藤真理子先生(長崎大学口腔病原微生物学分野教授),今井健一先生 (日本大学歯学部感染症免疫学講座教授),山下喜久先生(九州大学名誉教授)によるシンポジウムを企画しています。臨床的話題としては「低侵襲歯周組織再生」をテーマに山口文誉先生(山口歯科医院)の特別講演を予定しています。歯科衛生士教育講演は,五味一博先生(鶴見大学歯学部歯周病学講座教授)に「歯科衛生士が知っておきたい洗口剤の応用」についてご講演いただく予定です。倫理講演では,大室俊三先生(御茶の水ひまわり法律事務所)に「歯科医師・歯科医療に関わる法規の概要と特徴」についてご講演いただく予定です。この倫理講演は,歯科専門医機構の共通研修項目⑤医療関連法規に申請予定です。

そのほか,認定医・専門医教育講演,ランチョンセミナー,スイーツセミナー,一般口演・ポスター,衛生士口演,臨床ポスター企画等を準備しています。詳細につきましては,今後,学術大会ホームページにてご案内いたします。

新型コロナウイルス感染症が3年以上にわたって続いており,今後の状況変化の予測は困難でありますので,学術大会の開催形式は,現在のところ,現地開催と講演等のオンデマンド配信を組み合わせたハイブリッド開催の方向で準備を進めております。

九州北西岸に位置する長崎市は,鎖国時代においても出島を経由して海外文化が伝えられ,長い歴史のなかで多様な文化が重なり合い強い歴史性を有した場所が市内各地にあります。居留地時代から現存する6棟の洋館を集めたグラバー園,19世紀初頭の港を復元した出島,現存する木造ゴシック様式の教会のなかでは日本最古の大浦天主堂は,初めて長崎を訪れた方には見逃せません。原爆落下中心地公園北側,小高い丘にある平和公園は,悲惨な戦争を二度と繰り返さないという誓いと,世界平和への願いを込めてつくられた公園です。夜になると長崎港を中心とした丘陵地で輝く灯りは「世界新三大夜景」に認定され,世界有数の夜景が目の前に広がります。長崎市から少し足を延ばすと,今も活発に噴気を上げ,いたるところから硫黄のにおいと白い噴煙が立ちこめる雲仙温泉や,かつて炭鉱の島として栄えた軍艦島も,長崎港から40分のクルーズで出会うことができます。

食文化では,ちゃんぽんや皿うどん,カステラ,トルコライスなど,異国の文化や風習に影響を受けた独特なご当地グルメがあり,さらに周囲を海に囲まれていることから獲れたての魚介が満載です。

新型コロナウイルス感染症の収束を願っておりますが,臨機応変にさまざまな感染症対策を講じて,皆様が安心・安全にご参加いただけますよう,スタッフ一同,全力で準備に取り組んでおります。全国から多数の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

第66回秋季日本歯周病学会学術大会 
大会長  吉村 篤利 
(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科歯周歯内治療学分野 教授)

TOP