会長挨拶

第43回日本慢性疼痛学会を2014年2月21日(金)、22日(土)の両日、横浜市中区桜木町駅前の横浜市健康福祉総合センターにて開催させて頂くことになりました。急性痛に関しては、神経ブロックをはじめとする現在の様々な治療法によってほぼ制圧された感がありますが、こと慢性痛に関してはその機序の複雑さからいっても、治療も多様化しており満足な結果を得ることが困難となっています。あるデータでは、慢性痛患者のうち、現在の治療法に満足している患者の割合はわずか2割しかいないという報告もあります。本学会は、臨床や基礎系の医師だけでなく歯科医師や鍼灸、リハビリの領域などからも参加があり、あらゆる角度から慢性痛を診断、治療するという目的を共有する方々が集まっていると思っています。

今大会のテーマは、「初心にかえり、慢性痛に立ち向かう」と致しました。慢性痛の患者は、その痛みのためにQOLが低下し、治療に対する意欲の低下もしばしば見られます。先に述べたように、この学会では多くの診療科が様々な角度から慢性痛を診て、一つの症例に対する治療の引き出しを共有できるようになればと思っています。慢性痛に対する理解を深め、治療を行っている我々医療者は勿論、治療を受ける患者の皆さんに少しでも寄与できる学会になることを願ってやみません。慢性痛の研究や、一人でも多くの慢性痛の患者を救いたいと思っている会員の皆様方の参加を心からお待ちしています。

第43回日本慢性疼痛学会
会長 世良田 和幸
昭和大学横浜市北部病院麻酔科

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