大会事務局

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ご挨拶

この度、日本ハイパーサーミア学会第 35 回大会を縁あって、第31回に続いて故郷福井の地で開催させていただくことになりました。

今回は、「今こそ飛躍の時、がんの標準治療を目指して」がメインテーマです.温熱療法(ハイパーサーミア)が,手術療法、放射線療法、化学療法につぐ標準的治療として認知されることで、飛躍的な発展を図りたいと考え,基礎から臨床まで総合的、学術的に検討致します。

がんに対するハイパーサーミアは、直接的な抗腫瘍効果を有するのみならず、抗がん剤ならびに放射線の効果を増強します。温熱による有害事象は極めて少なく、放射線、抗癌剤の有用な併用療法として注目されてきました。近年、有効な新規抗がん剤や分子標的治療が開発され、脚光をあびています。これらの薬剤とハイパーサーミアを組み合わせた新しいレジメが開発され、飛躍的な進歩をとげようとしています。ハイパーサーミアは、これらの新規治療の効果増強を担う有力な治療法としても期待されています。

また、加温法、測温法も次第に改善されつつあり、より優れた新規加温装置も臨床応用されています。現在、本邦においては、電磁波加温は保険診療として承認され、食道、直腸などの消化管がん、肺、頭頸部、膵、肝、乳腺、子宮頚部、前立腺等の様々ながんに対して行われ、優れた治療効果が報告されてきました。

がんの播種性転に対する,可及的切除と温熱化学灌流療法(HIPEC)は,すでに多くの国で高い効果を挙げており,標準的治療とされています.その施行施設数は増加の一途です.しかし,我が国ではいまだに限られた施設における臨床研究レベルです.今回は,HIPECの研究と臨床の現況とこれからに焦点をあててみました.

一方、がん治療以外の新分野への展開の研究も進んでいます。例えば温熱はウイルスからの感染防護にも有効であり、感染に対する治療としての可能性が示されています。また温熱により誘導される、ヒートショックタンパクが、がん治療における細胞の温熱抵抗性・耐性のみならず、免疫能の回復や獲得、臓器の機能保全にも寄与していることが報告されています。

我が国は,ハイパーサーミアの基礎研究・臨床応用において,これまでにも科学的根拠に基づいた多くの成果を挙げてきました。ところが、その効果に置いて確固たるエビデンス、成果を上げてきたにもかかわらず、ハイパーサーミアの効能の周知が不十分で、時には代替療法と誤解されることさえあります。本大会では、我が国のハイパーサーミアの啓蒙と普及、そしてがん治療の新たな展開に期待し、HIPECなどのハイパーサーミアが我が国のがんの標準治療として認識されることを目指して、開催いたします。多数の皆様のご参加をお待ち申し上げます。

大会長片山 寛次

福井大学医学部附属病院 がん診療推進センター 教授

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