会頭挨拶

What is biopsychosocial well-being?
~こどもまんなかをめざして~

第 36 回日本小児科医会総会フォーラム in KOBE
会頭  藤田 位
(兵庫県小児科医会 名誉会長)

今、子どもの周りでは、biopsychosocial well-being(BPS well-being)という言葉があふれています。well-beingとは生涯にわたり、身体的、心理的・精神的に健康な状態であるだけでなく、社会的・経済的に良好で満たされている状態にあることです。すべて揃って初めてwell-beingとなるのです。

こどもまんなか社会では、全ての子どもはBPS well-being が可能となります。そんなこどもまんなか社会を作るためには、1)子どもの権利と尊厳を守ること、2)遊びを通して子どものwell-beingを高めること、3)子どもの誕生前から切れ目なく育ちを考えること、4)保護者のwell-beingを支援すること、5)子どもの育ちを支える環境や社会の厚みを増すこと等の視点が必要です。

それでは、小児科医は何ができるのでしょうか。私たち兵庫県小児科医会「総会フォーラム」実行委員会は知恵を絞り、これらの5つの視点から「かぜ診療」、「思春期」、「健診」、「児童虐待」、「災害時の医療的ケア」におけるBPS well-beingを多くの小児科医と共に考えていただけるようシンポジウムを計画しました。コロナ禍が去った今、皆で顔を合わせ、考えてもらえることを期待しています。

神戸は日本における多くのスポーツや文化の発祥の地です。そして国際都市でもあります。愛する人に贈るバレンタインチョコレートも神戸から始まりました。私たちは愛する日本のいや世界の子どもたちにBPS well-beingという新しいプレゼントを神戸から届けたいと考えています。ぜひとも、世界に誇れる美しい町神戸でともに考えていきましょう。