大会長挨拶

令和6年(2024)年5月 24 日(金),25 日(土)の2日間にわたり,第67回春季日本歯周病学会学術大会をビッグパレットふくしま(福島県郡山市)において開催いたします。第63回学術大会のメインテーマ「歯周病学のプロフェッショナリズム ― 歯周治療の実践知と科学知の融合を目指して ―」を踏まえ、今大会のメインテーマを「歯周病の精密および個別化医療」といたしました。

当時のニュースレターに書いたように、今後の歯科医療は精密医療および個別化医療の方向へ進むでしょう。歯周治療も例外ではありません。歯周病学および歯周治療学の方向性や他分野との融合の可能性を探りつつ、患者ごとに歯周治療の最適化を目指す個別化医療について参加者に有益な情報を提供するとともに、歯周病学の未来を語る場に出来れば幸いです。

大会1 日目 村上伸也教授(大阪大学)による「個別化歯周治療への道程 -侵襲性歯周炎と歯周組織再生療法を対象として-」(特別講演Ⅰ)、富澤一仁教授(熊本大学)による「糖尿病におけるPrecision Medicine」(特別講演Ⅱ)および和田康志先生(厚生労働省 医政局歯科保健課 歯科口腔保健推進室 室長)による「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の実現に向けた国の動向」(特別講演Ⅲ)を予定しています。

シンポジウムⅠでは準清潔領域である口腔の感染防御システムを再考するため「易感染性宿主の歯周管理と治療および全身疾患との関連性」をテーマに曽我賢彦先生(岡山大学病院 医療支援歯科治療部)、西 裕美先生(広島大学口腔総合診療科)および森 毅彦先生(東京医科歯科大学血液内科教授)にご講演頂きます。

一方、シンポジウムⅡでは「歯周病の精密医療」の推進をテーマに、岩田隆紀先生(東京医科歯科大学)、大森一弘先生(岡山大学)から新しい歯周治療の方向性を、日本顕微鏡歯科学会の三橋 純先生(デンタル みつはし)と長尾大輔先生(長尾歯科医院)からは歯周治療におけるマイクロデンティストリーの有用性および先進的な歯周治療についてご講演頂きます。

大会2日目 岩田光弘先生(さくらデンタルクリニック)による「歯周炎Stage IV患者に対する包括的歯科治療について」(特別講演Ⅳ)、吉野敏明先生(医療法人育栄会銀座エルディアクリニック院長)による「歯周外科手術に対する上部内視鏡治療の応用」(特別講演Ⅴ)を予定しています。

多因子性疾患である歯周病の予防および重度歯周炎に罹患した患者に対する個別化医療はライフステージを勘案しつつ実施すべき重要なテーマです。シンポジウムⅢでは「歯周病の個別化医療」の推進を目指し、澤田大介先生(さわだ矯正歯科クリニック)に「開咬に対する歯科矯正用アンカースクリューを用いた歯列弓の非抜歯遠心移動によるアンテリアガイダンスの確立は歯周病予防に有用である」、田中真喜先生(誠敬会クリニック)に「歯周病患者における歯周―矯正治療の重要性」、髙井基普先生(プレミアムデンタルケア恵比寿・代官山)に「長期症例から見えてきた「修復・補綴」に求められるもの」をご講演頂きます。また、多数歯欠損を呈する広汎型重度歯周炎患者の口腔機能回復治療(歯周補綴)について講演させて頂きます。

歯科衛生士シンポジウムは、「歯周病の個別化医療における歯科衛生士の役割」をテーマに、栗原英見先生(下松デンタルアカデミー専門学校)、滝川雅之先生(三宅ハロー歯科)および高野清史先生(ナチュール歯科)にご講演頂きます。

また、医療安全委員会企画講演は重森雅嘉先生(静岡英和学院大学・短期大学部現代コミュニケーション学科教授)に「ヒューマンエラー防止の心理学」、認定医・専門医教育講演は土井伸浩先生(医療法人社団オーデック 土井ファミリー歯科医院)に「歯周病専門医としての地域医療への関わり」、歯科衛生士教育講演は、千葉英史先生(千葉歯科医院)に「歯科衛生士が診る「歯にかかる力と歯周組織との関係」」、市民公開講座は山﨑幹子先生(奥羽大学歯学部口腔病態解析制御学講座口腔病理学分野)に「歯科医療は健康寿命の延伸に貢献する」のご講演を頂きます。その他、国際セッション、ランチョンセミナー、一般口演、一般ポスター、衛生士ポスターなど多彩なプログラムを企画・準備しています。

学術大会の開催形式は、現地開催と講演等のオンデマンド配信を組み合わせたハイブリッド開催を念頭に準備を進めています。

大会が開催されます5月下旬の郡山は,少し遅めの春から緑豊かな変化を感じることのできる気候のよい時期です。会場になる郡山市は東京から新幹線で約80分と交通の利便性が良く,「楽都郡山」と称され,音楽活動の盛んな土地柄でもありますが,大会当日は本学術大会で「学都郡山」を演出したいと思います。

福島県は東北地方の玄関口で,「南東北」と呼ばれており,郡山周辺には会津磐梯山,猪苗代湖,五色沼、あぶくま洞、野口英世記念館、天鏡閣、大内宿、土津神社、鶴ヶ城や会津藩藩校日新館など、豊かな自然と会津藩由来の歴史と文化、さらに幕末、戊辰戦争および明治維新の近現代史を正しく学び直す資料が数多く残されています。また、磐梯熱海温泉や東山温泉をはじめ,多くの温泉保養地があります。

歯科界からの情報発信を担う立場として微力ながらスタッフ一同,全力で準備に取り組んでおります。全国から多数の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

第67回春季日本歯周病学会学術大会 
大会長  高橋 慶壮 
(奥羽大学歯学部歯科保存学講座歯周病学分野 教授)

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