このたび第120回近畿救急医学研究会を、2019年7月20日(土)大阪国際交流センターにおいて、大阪急性期・総合医療センター 救急診療科が主催させていただくこととなりました。1973年2月から始まった本研究会の事務局は、当センターに置かれています。小生が当センターに赴任した翌年の2009年より事務局を担当させて頂きました。本研究会が救急医療における礎になっていることを肌で感じていた中で、伝統ある研究会を主催させて頂くことを大変光栄に思っております。
今回のテーマは「質の高い救命率向上を目指して~鳥の目、虫の目、魚の目~」とさせていただきました。救急医療は様々な技術の進歩、医療機器の開発によって革新的な進歩を遂げています。最近はICTを使用したビッグデーターが蓄積され、全体の傾向をつかみ、俯瞰できたからこそ治療成績の向上につながる症例も多くなりました。一方で従来からの症例報告のように1例1例を深く掘り下げるからこそ見えてくる真実もあります。また病院前から退院後までの流れを把握した救急医療は今後さらに重要になっていくことが予想されます。これらの事から様々な視点を持つことが、質の高い救命率向上につながると考えております。3つの目を如何に持つか、その視点のあり方を本学術集会において学ぶ機会となれば幸いです。また4つ目の目を発見できればさらにハッピーです。
第120回は、これまでとは異なるいくつかの工夫をしております。一つ目は専門医共通講習と救急科領域講習を午前中にとり入れました。内容は「感染対策の現状と課題」と「災害医療の最前線」です。これにより多くの方々がお集まりいただき学びの場となれば幸いです。二つ目は、新しくメディカルスタッフ部会が創設されてから初めての研究会です。医師、看護師、救急隊員に加えて多職種のメディカルスタッフが参加する、まさに協働が可能となった新たな研究会として、さらに歴史を重んじながら発展できるきっかけの120回になれたらと存じます。これらの工夫が吉とでるか凶と出るかは皆様のお力にかかっております。ぜひ多くの方々のご参加をお待ちしております。
大阪急性期・総合医療センター 救急診療科 主任部長 藤見聡