会頭挨拶

第28回日本外来小児科学会年次集会は2018年8月24日(金)‐26日(日)と東京国際フォーラムにて開催いたします。

第28回年次集会ではコンセプトを<総合の知>と<現場からの情報発信>としました。私たちは現場の医療を担う立場として、日本の地域医療の現状、その課題を日々感得しています。俯瞰的視点では具体的な個々の事象を知ることはできません。現場からの情報発信が重要な所以です。一方、現場の具体的事象のみ掌握するだけでは医療の大枠や方向性を見失ってしまう可能性があります。俯瞰的視点は制度理念の構築へと繋がります。医療現場で起きる具体的事象の掌握と俯瞰的視点、この双方が有効に機能することが、地域医療の向上を齎します。現場実践と制度理念の交差する光芒に私たちの目指すべき未来があります。

また、小児医療は本来、全人的な「小児」を対象としています。さらに多職種の領域横断的な共同作業が必要です。医療とは本来そうした構造を有するものであり、特に研究活動の上でそうした視点や交流が多くあるのが当学会の特徴です。今回の年次集会では、日本の医療全体を見通す講演、地域での小児医療・福祉行政の実践、最新のIT技術が地域医療にもたらすオンライン診療(遠隔診療)、大きな問題となっている医療者への暴言・暴力の問題、小児科専攻医のための研修など、多彩な企画を準備しています。開業医のみならず、勤務医、研修医の皆様が参加されても充実した時間が過ごせます。スタッフ向けにスキンケア、ワクチンの課題なども企画しています。

多くの皆様のご参集を期待しております。

第28回日本外来小児科学会年次集会会頭

黒木春郎

(医療法人社団嗣業の会 外房こどもクリニック 理事長)

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