ごあいさつ
この度、第50回日本小児臨床薬理学会学術集会の大会長を務めさせていただき、誠に光栄に存じます。
『こどもに安全なくすりをとどけよう -いつまでこどもはTherapeutic Orphanなの?-』をメインテーマとして、令和5年9月30日(土)~10月1日(日)の2日間、大阪梅田のOIT梅田タワー 常翔ホールにて開催させていただくことになりました。
本学会は、昭和49年に発達薬理学シンポジウムとして発足し、「発達薬理学およびその関連領域の研究の進歩とその普及をはかり、小児の健康とその福祉に寄与すること」を目的として約半世紀にわたって開催されてまいりました。小児の診療に携わる医師や薬剤師、製薬企業に所属する研究者等が一同に会し、職種及び専門診療科をこえた学会として、子どもの薬物療法に関する様々な問題点を解決することに取り組んでおります。
学術集会は小児と薬物療法を最大のテーマに意見交換し、薬物の有効性や安全性の議論にとどまらず、小児の未承認薬や適応外使用の問題、新薬の開発、子どもが飲みやすい薬の調剤、内服方法の検討など小児をとりまく医療や社会について、幅広く話し合っています。
欧米では、小児用医薬品開発に関する法整備が行われ、小児へより適切な薬物療法が提供できるようになってきております。本邦でも、少しずつではありますが、Therapeutic Orphan(治療上の見捨てられた孤児)から脱却しつつあります。子どもたちにとって、必要でより安全に使用できる薬を届けることも、この学会の目指すところであります。薬剤師や医師などの医療関係者だけではなく、広く社会へ子どもの薬について啓蒙していく活動も行っています。
本学術集会をより充実させ、その先に子ども達やそれを取り巻く社会にとってもよりよい薬物療法が広く行われるように願ってやみません。多くの方々の参加をお持ち申し上げております。
令和4年11月吉日
第50回日本小児臨床薬理学会学術集会
会長 河田 興
摂南大学薬学部 臨床薬理学