会長挨拶

第52回日本小児循環器学会学術集会を平成28年7月6日(水曜日)から8日(金曜日)の会期にて東京ドームホテルで開催させていただきます。過日演題を募集いたしました所、791題もの演題のご応募を頂きました。各演題に対しまして3名の査読委員に査読をお願いし、その結果を受けまして、プログラム委員会で採否、並びにシンポ・パネル、口演、ポスターの発表形態の選別をしていただきました。また、今回は査読委員にお願いをして、抄録の倫理に関するチェックもして頂きました。全体で48題に対しまして疑義が出されましたが、抄録文言の加筆、訂正および発表時の倫理的配慮の指摘のみで、倫理面から演題の採否にかかわる問題はないと判断させていただきました。なお、抄録および発表時の倫理的問題につきましては今後日本小児循環器学会の倫理委員会にてご検討頂きたいと思っております。一般演題の他に、シンポ・パネルの指定演題などを加えますと約900題の演題を頂戴することが出来ました。診療、研究、教育にお忙しい中、この様に多くの演題を応募していただきました皆様に衷心より御礼申し上げます。

第52回学術集会のテーマは「生命いのちを見つめ、心を紡ぐ医療を求めて」であります。特別講演としまして小児科医の細谷亮太先生から「生きること、死ぬこと ―小児科医の死生観―」、また生命科学者の中村桂子先生より「”生きている”を見つめるライフステージ゙医療 ―生命誌の視点から―」のご講演を頂き、病床にある患者さんに寄り添う心の問題や生命いのちについて皆様と一緒に考えてみたいと思います。また、Legend lectureを設け、日本小児循環器学会の草創期よりご活躍頂き、かつその道のspecialistでいらっしゃる中澤誠先生、長嶋正實先生、里見元義先生より心機能、心電図・不整脈、心エコーにつきまして歴史的事実および現在に至るまでの経緯も含めましてご講演頂く予定でございます。更に、シンポジウム(13題)・ミニシンポジウム(2題)・パネルデイスカッション(9題)、学会要望演題並びに一般演題での熱き討論を通して、本邦におけるこれから数年間にわたる小児循環器疾患の診断、治療に関する指針をお示しすることが出来ればと考えております。また、海外招聘講演、教育講演、教育セミナー、標本展示・解説を通しまして、世界の現状を知って頂くと共に、教育の充実も図りたいと考えております。

今回の学術集会では市民公開講座も大きな役割を握っております。西畠信先生、星合美奈子先生にお願いし、「心疾患患者の社会的自立をめざして ―小児から成人への移行期の諸問題―」と題しました公開講座を組んで頂きました。患者様方の社会的自立を取り上げた市民公開講座ではございますが、会員の皆様のご参加も頂ければと考えております。

学術集会への多くの方々のご参加を心よりお待ち申し上げます。

日本医科大学

小川 俊一

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