大会長挨拶
令和7年(2025年)10月17日(金),18日(土)の2日間にわたり,第68回秋季日本歯周病学会学術大会を新潟市の朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンターにおいて開催いたします。今大会のメインテーマは「国民のための歯周治療とその未来」としました。歯周病の罹患率は依然として高い水準のまま,総人口の減少と高齢化率の上昇に伴い,年齢構造が変化してゆくことが避けられない状況です。健康への課題や国民のニーズにおいてもそのボリュームゾーンが変化するなかで,この時代に合わせた国民のための歯周治療を本大会では考えたいと思います。同時に,発展的な未来に向けての学術活動の促進は日本歯周病学会の使命といえます。若手研究者を中心とした未来を創る基礎・臨床研究に企画の焦点をあてたいと考えております。
特別講演Iとしまして,歯周病の免疫学的研究におけるトップランナーであるNiki Moutsopoulos先生 (NIH/NIDCR, Laboratory of Host Immunity & Microbiome)にご講演をいただきます。特別講演IIでは,高田 淳子 先生(厚生労働省 医政局歯科保健課歯科口腔保健推進室)にご登壇を頂きまして,国民皆歯科健診についての最新の情報をアップデートしていただくことを予定しております。シンポジウムⅠにおいては「歯周治療の未来を創る:若手研究者たちの挑戦」として,新進気鋭の若手研究者の先生方による講演を企画しています。シンポジウムⅡは,「歯科再生医療の未来を創る:科学と臨床のフロンティア」をテーマとして,近未来医療としての歯科再生医療に関わり,基礎研究・臨床応用・社会実装の観点から,歯科再生医療の進展と課題について考えるシンポジウムを企画します。シンポジウムⅢでは,現代の国民課題と歯周治療について最新ガイドラインの要点を踏まえたご講演をいただく企画です。シンポジウムⅣは,テーマを「国民のニーズに応える歯周治療」として,歯周基本治療,低侵襲な歯周外科治療,有病者の歯周治療についてご講演をお願いしております。歯科衛生士シンポジウムは,タイトルを「歯周病管理への協働―歯周病で困らない社会をみんなで考えよう」として,歯周病の罹患状況および行政施策,歯周病管理における行動変容の有効性および課題,臨床におけるメインテナンスの有効性と歯周病の評価についてご講演をいただきます。
日本専門医機構の共通研修としては、医療関連法規、医療安全の2項目についての講演を予定しています。その他,認定医・専門医教育講演,歯科衛生士教育講演,一般口演・ポスター,歯科衛生士口演・ポスター,ランチョンセミナー,スイーツセミナー,歯周組織再生医学優秀論文賞受賞者講演,学部学生ポスター等を企画・準備しております。
新潟市の10月中旬は、紅葉が色づき始め,朝晩は肌寒さを感じることもありますが,日中はとても過ごしやすい時期です。新潟県は南北に約240kmと広がり,世界遺産に登録された佐渡金山をはじめ,観光地や自然豊かな景勝地が方々に点在しています。その広大さゆえに移動には時間がかかるため,どこかを訪問する場合はあらかじめの計画をおすすめします。新潟といえば,美味しい水と米。それが生み出す日本酒は格別です。さらに、日本海の新鮮な海の幸や,山の恵みを活かした郷土料理も魅力のひとつ。全国どこでも美味しいものが食べられる時代ですが,地元ならではの旬の食材や,コストパフォーマンスの高い絶品料理を味わうことができるのは,新潟を訪れてこその楽しみです。近年は山形県と消費量の1位・2位を競う「ラーメン県」としても注目されています。ぜひ、新潟の食を存分に堪能してください。
スタッフ・関係者一同,全力で準備を進めております。ぜひとも皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
第68回秋季日本歯周病学会学術大会
大会長 多部田 康一
(新潟大学大学院医歯学総合研究科 歯周診断・再建学分野)