大会長挨拶

このたび令和5(2023)年5月26日(金)、27日(土)の2日間にわたり、第66回春季日本歯周病学会学術大会をレクザムホール(香川県民ホール)において開催いたします。今大会のメインテーマは、「歯周病を語ろう!~その原点から未来へ~」といたしました。歯周病は口腔内の1疾患に留まらず、様々な全身疾患と関連することが示されておりますが、歯周病治療に関しては超高齢社会における医療地域格差や社会構造変化に伴い様々な課題に直面しております。そこで、原点から受け継いだ先見性を見つめ直し、未来の社会に貢献する歯周病学・治療学の新たな価値について、皆様と大いに“語る”大会にしたいと思っております。

新型コロナウイルス感染状況が3年近く続いており、今後の状況変化の予測も困難でありますが、今学術大会の開催形式は、現在のところ、現地開催と講演などのオンデマンド配信を組み合わせたハイブリッド開催の方向で鋭意準備を進めております。また、できる限り、多くの会員の皆様に現地参加いただき、対面で様々な交流ができる機会となりますよう、感染対策を講じて開催したいと考えております。

大会プログラムは、特別講演として、自然免疫機構と炎症制御に関する研究分野において第一線で活躍されております竹内理先生(京都大学大学院医学研究科医学専攻分子生体統御学講座医化学分野教授)に、また歯周病とも関連し、同様に生活習慣病である動脈硬化症などの循環器疾患に対するアプローチについて佐田政隆先生 (徳島大学大学院医歯薬学研究部循環器内科学分野教授)にご講演いただく予定です。

シンポジウムIは、「歯周病の病態機序を語ろう!歯周病の基礎研究から」:大原直也先生(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科口腔微生物学分野教授)、前川知樹先生(新潟大学大学院医歯学総合研究科高度口腔機能教育研究センター研究教授)と稲垣裕司先生(徳島大学病院歯周病科講師)、シンポジウムIIは、「歯周病による医科疾患の重症化リスクを語ろう!歯周病の臨床研究から」:吉成伸夫先生(松本歯科大学歯科保存学講座歯周教授)、片桐さやか先生(東京医科歯科大学病院歯周病科准教授)と青山典生先生(神奈川歯科大学歯学部歯科保存学講座歯周病学分野准教授)、シンポジウムIIIは、「歯周病の未来を語ろう!新たな領域を開拓する歯周病専門医の挑戦~未来の歯周病専門家たちへ~」:浦野智先生(医療法人浦野歯科診療所・大阪)、澤田弘一先生(鏡野町国民健康保険上齋原歯科診療所・岡山)と新田浩先生(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科総合診療歯科学分野教授)を企画しております。

認定医・専門医教育講演は、二宮雅美先生(徳島大学大学院医歯薬学研究部歯周歯内治療学分野助教)に、歯科衛生士教育講演は渡部茂先生(明海大学保健医療学部教授)に「歯科衛生士に必要な唾液の知識」についてご講演いただきます。

また、日本歯科専門医機構共通研修単位講演(予定)として、村上圭史先生(川崎医療福祉大学医療技術学部臨床栄養学科教授)に「院内感染対策」についてご講演いただきます。

医療安全委員会企画講演は、吉田登志子先生(一般社団法人日本SP協会)に「患者・医療者間の信頼関係の構築に向けて―対人コミュニケーションの視点から―」についてご講演いただきます。

歯科衛生士シンポジウムは、「中年期・高齢期の歯周管理の重要性」:佐原久美子先生(徳島大学大学院医歯薬学研究部)、川柴淑先生(徳島県歯科衛生士会)と佐久間愛先生(麻生歯科クリニック・静岡市)を企画しております。 

さらに、AAP(アメリカ歯周病学会)からの招待講演、ランチョンセミナー、スウィーツセミナー、一般演題口演・ポスター、衛生士口演や臨床ポスター発表なども企画・準備しています。詳細につきましては、今後、学術大会ホームページにてご案内いたします。

四国の玄関口・中枢都市として栄える高松市は、多島美を誇る瀬戸内海に面しており、学術大会会場であるレクザムホールは、高松駅から瀬戸内海を眺めながらの徒歩8分の位置にあり、堀に瀬戸内海から海水が引き込まれた日本三大水城の1つである高松城址の石垣により大小のホールが分かれている全国でも珍しいスタイルとなっております。会場に隣接する高松城跡玉藻公園内の国重要文化財の櫓、披雲閣や日本庭園と県立ミュージアム、回遊式大名庭園である特別名勝・栗林公園、源平合戦古戦場として有名な屋島などがあり、また、讃岐うどん以外にも、瀬戸内海と山が近い立地を活かした魚介から山の幸まで様々な食文化が根付いており、おいしさの魅力も詰まっております。

新型コロナウイルス感染症の収束を願っておりますが、臨機応変に様々な感染症対策を講じて、皆様が安心・安全にご参加いただけますよう、スタッフ一同、全力で準備に取り組んでおります。全国から多数の皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

第66回春季日本歯周病学会学術大会 大会長
徳島大学大学院医歯薬学研究部歯周歯内治療学分野
湯本 浩通

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